1948-12-22 第4回国会 参議院 本会議 第19号
○天田勝正君 私は只今栗山君から政治的責任を指摘いたされました日本社会党を代表して、この煙草値上案に反対の意を表するものであります。 先ず、政府はその提案理由といたしまして、只今委員長の報告にありました通り、本年度の專賣益金といたしまして九百四十三億円を計上したのであるが、四月から十月までの賣上実績を見るに、本年度の煙草賣上予算千百二十一億円の四四%に過ぎない賣上である。
○天田勝正君 私は只今栗山君から政治的責任を指摘いたされました日本社会党を代表して、この煙草値上案に反対の意を表するものであります。 先ず、政府はその提案理由といたしまして、只今委員長の報告にありました通り、本年度の專賣益金といたしまして九百四十三億円を計上したのであるが、四月から十月までの賣上実績を見るに、本年度の煙草賣上予算千百二十一億円の四四%に過ぎない賣上である。
然るにも拘わらず、今年の政策に向つて徹底的な措置が取られておるかどうか、例えば運賃値上といい、郵便料金値上といい、煙草値上といい、いずれも政府みずからがインフレーションを助長することばかりしておるのであります。若し政府に眞にその決意があるならば、今年度の予算にそれが指向されなければならない筈であります。國民所得に見合うような支出の圧縮がなされていなければならない筈であります。
煙草値上の問題につきましては結論から簡単に申上げます。煙草の値上には労働者の立場から反対を申上げたい、かように考えます。反対の理由につきましては、先程來反対論者からいろいろ詳細に説明んされておりますし、委員の皆様も大変御多忙のようでございますので、極く簡單に申上げたい、こういうように思います。
なお大衆課税たるところの間接税を増額いたしまして、一面所得税は減額いたしたのでありまするけれどもが、煙草値上に伴いまして、喫煙登録者四千四百万人といたしますと、月々一人が約百円弱を拂わなければならんのであります。こう考えますると、所得税は減額されましたが、大衆たる國民に負担は結局非常に増加するものと思わなければなりませんのであります。
右の煙草値上と鉄道運賃乃至電信電話料金の引上のいずれを取るべきかについて、相当日時閣議はもんだようでありまするが、いずれにいたしましても、物價騰貴を促し、千八百円基準並びに新物價体系の維持を脅かすことは明瞭であります。かかる明らかな事実と影響を知りながら、政府は何が故にもつと掘下げた抜本的な措置に出なかつたのか、その点を遺憾とするものであります。
最後に一つ、今度の煙草値上の手続の問題でありますが、これをお伺いして置きたい。御承知のように財政法第三條には「國の独占に属する事業における專賣價格若しくは事業料金については、すべて法律又は國会の議決に基いて定めなければならない」と規定されております。尤もこの財政法第三條は、その附則におきまして定めておるようにまだ施行されておりません。施行停止中であります。